妻が妻の両親から贈与された財産を使って夫名義の住宅ローンの繰上げ返済に充てる、というのは良くあるケースでしょう。

この場合は、妻から夫への贈与と見なされ、贈与税がかかります。

たとえば、妻が贈与された財産500万円を住宅ローンの返済に充てる場合は、500万円から基礎控除額の110万円を差し引いた390万円に対して贈与税が課税されます。

課税価格390万円に対する贈与税の税率は、2016年現在20%です。

つまり、390万円×20%の78万円を贈与税として納付する必要があります。

贈与税の課税を避けつつ妻が贈与された財産を住宅ローンの返済に活かすのであれば、妻が贈与された財産はそのまま妻名義の預金として住宅ローンを除く家計費として扱い、夫の収入や預金はすべて住宅ローンの繰上げ返済に充てるという方法がおすすめです。

なお、夫の両親や祖父母から贈与を受けた場合も同様に贈与税が発生しますが、この場合は相続時精算課税制度が利用できる場合があります。

相続時精算課税制度は平成27年1月に改正されたもので、贈与者と受贈者の間に一定の直径関係がある場合に選択可能な課税方法です。
相続時精算課税では、2500万円までの贈与であれば贈与税がかかりません。
2500万円を超える部分については20%の贈与税が課せられます。
贈与財産の種類や金額、さらに贈与回数や年数には制限はありません。
相続時精算課税の利用には、贈与者が60歳以上の親または祖父母であり、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子どもまたは孫である必要があります。
なお、贈与財産が一定の要件を満たす住宅取得資金の場合でかつ、親から子への贈与である場合には親の年齢に制限はありません。
また、課税制度は贈与者ごとに適用できるため、たとえば父からは暦年課税、母からは相続時精算課税といったように課税制度を設定することも可能です。

ただし相続時精算課税制度には注意点もあります。
一度相続時精算課税としてしまうと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻すことはできず、また相続時精算課税で贈与された財産は、相続時に小規模住宅等の特例を受けることが出来ません。

贈与を住宅ローン返済に充当しようとご検討中の方は、ぜひ名古屋市西区の木村茂之税理士事務所へご相談ください。
初回相談は無料で承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。