生前贈与の目的で、子どもや孫名義の通帳へ、子どもからの仕送りを預金しておいたり定期預金を行うというのはよくあるパターンでしょう。

たとえば5000万円を超える資産があった場合でも、贈与税の基礎控除額を下回る年110万円以内の生前贈与を行っていれば、相続財産を減額することができ相続税の節税になります。

しかし、単に自分以外の名義に預金しただけでは、親族名義の口座に資金を移動させただけと見なされて贈与とは認められず、相続税の対象となってしまいます。

口座振込みによる生前贈与を成立させるには、次の点に注意する必要があります。

■贈与契約書を作成する
贈与は、贈与者が「あげますよ」といい、受贈者が「いただきます」という双方の合意があって初めて成立します。

このやり取りは口頭でも成立しますが、第三者にそれを証明するためには「贈与契約書」を作成してエビデンスを残しておくことが重要になります。

■贈与の証跡を残す
口座振込みによる現金贈与は、通帳に振込み人が印字されるよう、贈与者が自分の通帳を通して受贈者の通帳へ振り込みましょう。

定期預金を贈与する場合には、名義変更を行うなど第三者への証明のための証跡を残しておきましょう。

■管理支配基準を満たしていること
管理支配基準とは、受贈者が譲り受けた通帳、キャッシュカード、預金証書、実印などを管理・保管していることです。

たとえばこれらが贈与者の下にあったり、贈与したはずの定期預金の利息が贈与者の通帳に入金されているなどの場合は、管理支配基準を満たしていないため贈与とはみなされません。

そのため、口座の管理に必要となるものは必ず受贈者に引き渡しておきましょう。

■使用収益権基準を満たしていること
これは贈与された資産を受贈者が自由に使用収益できることが保証されているかというものです。

ただし、受贈者が未成年であった場合など、多額の資産を自由に使用できるようにすることに問題がある場合もあるでしょう。

そういった場合には、税理士に相談することをおすすめします。

名古屋で贈与に関わるお悩みや疑問は、名古屋市西区の木村茂之税理士事務所へご相談ください。

初回相談は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。